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 ところでこの前の方の美、即ち「芸術のための芸術」が求めるものは、叡智えいちの澄んだ「観照的」の純美であって、正しく美術が範疇はんちゅうしている冷感の美に属する。反対に「生活のための芸術」が求めるものは、より燃焼的で温熱感に富んでるところの、音楽の範疇美に所属している。然るに「生活のための芸術」は、始めから主観主義の立場に立って人生を考えるものである故に、彼等の求めるところが、美術の純美になくして音楽の陶酔にあることは、全く予定されたる当然の帰結である。そしてこのことは、同様に他の一方の者についても考えられる。されば「生活のための芸術」と言い「芸術のための芸術」と言うのも、所詮しょせん主観派と客観派との、美に対する趣味の相違にすぎないので、本質に於て考えれば、意外に全く同じ芸術主義者の一族であることが解るであろう。
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